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『ドッペルゲンガー』の能力をもつイヴ。
体をなんにでも変えられるが、カロリーを大量に消費するといった弱点があった。
カロリーが切れると変身できなくなってしまうのだ。
「ちょ、ちょっと……何よこの手は」
変身能力が残っている間は油断できない。
強制的にカロリーを消費させるため、科学者たちはある手を考えついた。
『笑いは大いにカロリーを消費する』
「なっ、なにをするつもりひっ!! ひゃあああああぁっははははははは!! な、くすぐっ、うはははははははははっ!!」
『くすぐりによる笑い1分間のカロリー消費は、10分間のランニングに相当する』
そんなよくわからない実験結果を待ちだして、緊急制御したマジックハンドを動かし始めた
突然脇腹や腋の下といった敏感な場所を責められ、イヴはたまったものではない。
湧き上がるくすぐったさをこらえきれずに、体をよじらせ、大きく口をあけて笑い悶える。
しかし腕を拘束されていて、簡単に逃げ出すことはできない。
残っている体力で変身しようとするものの、くすぐったくてものをイメージすることができない。
「ちょっとちょっとおっほほほほほっ!! なによこれ! ふざけてんじゃな、っひゃっひゃひゃひゃひゃひゃっ! ムリ、そこムリっ、くすぐったいっていってんでしょ~~っ!!」
いくら泣こうがわめこうが、イヴに残っている体力を絞りつくすまで、マジックハンドの手は止まらない。
「やめっ……くひひっ、うははははっ……し、しんじゃうっくふふふふふ……」
だんだんとなくなっていく体力。それに従って笑い声もだんだんと小さくなっていく。
一度カロリーがゼロになってもそれで終わりではない。
助けが来るまで、ある程度回復するたびに、再び限界までくすぐられるのである。