新しい記事を書く事で広告が消せます。
第二回・クイズマジックハムデミー
※ハヤテのごとく18巻 クイズ ミコサン アカデミー のパラレルワールドです。
本誌とは一切関係はございません。
前回までのあらすじ
友達主催のクイズショーに、特別ゲスト『銀杏商店街を守るなぞのヒーロー シルバーレッド』として登場した桂ヒナギク。
周りには知人ばかり、正体を知る者は霞愛歌さんばかりなり。
ヘルメットをかぶっていて顔はわからないが、声を出したら回りにばれてしまう。
それはさすがに恥ずかしく声を出せない状態となったヒナギクだが、インスピレーションクイズということでカエルの入ったボックスに手を突っ込まされる。
それを何とか耐え、ホッと一息ついたヒナギクだったが…
――――――――――――
うう…私だってさすがに女の子、さすがにアレは気持ち悪いわ…
しかし、こんなのがまだ後何問あるのかしら。
…ん?アレは……愛歌さん?
泉に何か囁いてる…ううっ、嫌な予感がするわ。
あの人のことだから、やりすぎたりはしないでしょうけど…
「えー、現在行われましたインスピレーションクイズですが、さすがに鳴き声でわかるのは無いでしょう、という声があげられました。よって急遽、もう一問インスピレーションクイズを続けようと思いまーす!」
…嫌な予感は当たった。
歩が少し不満げな顔をしてるけどほかの人の反応は上々。
愛歌さんのほうをチラッと見ると、とても嬉しそうに微笑み返してくれた。
「今度はちゃんと鳴き声も無いものを選んでみました!そして二問目は、お客さんにも一緒に考えてもらいましょう!」
理沙がさっきと同じように、箱を私の前に持ってくる。
恐る恐るその中を見てみると……
魚?
そこには水が張られていて、中には小さなお魚が結構たくさん泳ぎまわってる。
「これはドクターフィッシュというらしいですよ」
私だとは知らない理沙が、聞きなれない丁寧語を使って、小声で囁いてきた。
「なんでも人の汚れを掃除してくれる奴だとか。カエルに触った後だからと、あの人が薦めてくれたのです」
目線の先にいるのはもちろん愛歌さん。
やっぱりそこまで鬼畜な人ではなかったことに一安心。
虫とか出されたらどうしようかと思ってたもん……
「ではシルバーレッドさん、手を入れてください! 今度も素手で!」
今回は、さっきのようにためらう必要もあまり無い。
右手を突っ込むと、魚達が私の手に群がってきて――――っ!?。
脳に電流のように流れてきた刺激に、思わず身をこわばらせる。
手にっ、つんつんと弱く突っついてくるのがっ! す、すごくくすぐったいっ!
「~~~っ!? んっ―――!!」
声を出したら皆にばれてしまう。
それだけは嫌だという意地で、私はでかかった声を抑えた。
手のひらからは絶えずツンツンと突っつき攻撃が行われている。
それが爪の先で手のひらを引っかかれたようでっ!もう、くすぐったいってば!!
上からじゃ見えないからどこにどれ位いるのかわからなくて、くすぐったさに慣れる事すらできない!
(やめっ!んんっ!ほんとにっ、くすぐったくてっ!声出ちゃうから~っ!)
私の心の声など届くはずも無く、それどころかお魚さんたちは無慈悲にも新たな場所を攻撃してきた。
(ひ―――っ!? ゆ、指の間がっ、く、くすぐったい!?)
そう、手に力を入れたときに開いてしまった指の間にお魚さんはぴったりと張り付いて来た!
まさかこんなところがこんなにくすぐったいなんて思わなかったもんだから、その油断が不意打ちとなって、私に更なるくすぐったさを送ってきた!
(くすぐったい!くすぐったい! ダメ!そんなとこダメだってば!)
指を閉じるとお魚さんがつぶれてしまうし、振り払おうにも水の中ではすぐ追いつかれてしまう。
(だれかっ!誰かはやくこたえてっ!歩っ!)
目をちょっと開けてみてみると、皆一様に悩んでいる。
そうしているうちに、くすぐったさの我慢の限界が近づいてきたみて…っ!
(やっ!んっく…! ムリ!もうムリだって!)
ザパッ!という音と共に、私はとうとう我慢できずに腕を引き上げてしまった。
「今のは水の音ですかねぇ? さあ、今のがヒント!誰かわかった人は居ますか?」
ピンポーン
「はい、歩ちゃん!」
「お、おたまじゃくし…かな?」
「ぶーっ! 残念!なんともコメントしがたい普通の回答をだしてくれるね~」
ピンポーン
「はい、文ちゃんどうぞ!」
「ぶっちゃけ、その反応だけじゃちっとも分りません!」
…今、会場内に冷たい風が吹き渡ったような気がしたわ。
でも、他の回答者もうんうんと頷いてる…
「えっと、それじゃあ、どうすればいいと思う?」
「それはですね…」
文ちゃんが答えに窮していると、歩がばっと手を上げた。
「はいっ!手がダメなら足がいいと思います!」
あ、歩~っ!?
「じゃあ、その方針でいいとおもう人~?」
全員が手を挙げて…って!
ちょ!ムリ!それはダメだって!
手のひらであんなにくすぐったいのに、足なんてきっと…ううっ、鳥肌が。
でも、今更断れる空気でもないし…大丈夫!歩がきっと答えてくれるわ!
そうよ、それまで我慢すれば言いだけの話じゃない!
私の決意が固まったところで、理沙が椅子を運んできてくれた。
続き→